所感雑感

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藤井聡太二冠の生涯勝率の話

 今日、12月24日はクリスマス・イブである以前に、藤井二冠が棋士としての第一歩を踏み出した、第30期竜王戦6組ランキング戦1回戦が行われた日だ。

 2016年12月24日、藤井四段(当時)は加藤一二三九段との年の差62歳という対局で勝利を収める。そしてそこから怒涛のデビュー後29連勝となった。

 そのデビュー戦から今日、2020年12月24日までの生涯勝率のグラフがこれだ。

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  デビューから4年経った今でもなお、生涯勝率8割を切ったことがない。これは驚くべき記録と言える。

 これを達成するには、はじめにデビュー後4連勝しなければならない。これ自体が難しい条件で、例えば今年の10月に新四段となった伊藤匠四段、冨田誠也四段、古賀悠聖四段の三者はこの条件をクリア出来なかった。

 また、基本的に1勝によって上がる勝率よりも1敗によって下がる勝率のほうが大きくなる。現在の藤井二冠の勝率は約0.8354だが、ここから11連敗すると勝率が約0.7992となり勝率8割未満となる。対して、現在の状態から11連勝したとして勝率は約0.8425にしかならない。増減を絶対値で考えるとおおよそ5倍の差がある。このような敗北のウェイトが大きいものを4年間8割以上を維持し続けているのは恐ろしさすら覚える。

 

 藤井二冠が勝率8割を切ることがあるとすれば、強い棋士のいるリーグやタイトル棋戦の番勝負の常連になった時ではないかと思う。トーナメント方式の棋戦は特殊な例を除いて1敗した時点で終了となる。対してリーグ戦や番勝負は2敗以上しても続く。実際、今年度の王将戦挑戦者決定リーグでは3連敗を喫している。しかしあと1、2年は続くのではないかと思っている。